生活のために無理して働き続けていませんか?
仕事をさている方の中には、精神状態が悪くなっているのに、収入がなくなるからと思ってなかなか辞められないと考えている人も多いのではないでしょうか?
無理をしてうつ病等をひどくしてしまい、回復まで長期間を要してしまうケースも多いです。そんな時は無理をせずに、思い切って辞めてしまうか、休職してしまいませんか?
そんな急に辞めたら、暮らしていけないじゃないか!って思われる方も多いと思いますが、皆さんは日本で暮らしていて良かったなって思われる制度があります。それが「傷病手当金」という制度です。
ではどうすれば申請できるのか、対象者は?
①仕事や通勤中のケガではない事。
②医師の診断から現在の仕事に就く事ができない事が明らかな事。
③連続する3日間を含み、4日間以上仕事に就けない事。
④休んでいる間に職場から給料の支払いが無い事。
①のケースは労災保険という別の保証制度があります。
②はもうダメだと思ったら、とりあえず精神的な病気の場合は、精神科か心療内科に行って医師に診断書を書いてもらってください。
③が一番大事です。土日祝・有給休暇等なんでも良いですから、とりあえず3日間休んでください!それで待機期間は完成です。そして4日目以降は傷病手当金を受給できます。
④は基本的には勤め先からの給料が支払われている場合はそれで暮らして行けるはずですから、傷病手当金は支給されません。しかし 傷病手当金>給料 の場合は差額分が支給されます。
以下は待機3日間の考え方です。
表からもわかるように、待機期間は3日間必要です。土日休みの方であれば、金土日や土日月と休まれても大丈夫です。
支給される期間
傷病手当金を受給される方にとって、大変嬉しい変更が最近ありました。令和4年1月1日より、支給を開始した日から通算して1年6ヵ月に変わったのです。
ただし、支給を開始した日が令和2年7月1日以前の場合には、これまでどおり支給を開始した日から最長1年6ヵ月のままです。わかりやすく説明すると、これまでは一度休んで、治ったと思って一度復帰したけれど、ぶり返してまた休もうと思っても、その復帰していた期間も1年6ヶ月に含まれてしまい、また休んだ時に支給期間が少なくなってしまっていました。そのために無理して仕事を続けて病気を悪化させてしまう人が多かったようです。しかし現在では一度復帰した期間はカウントされず、お試し復帰が可能になりました。まだ復帰には早かったと思ったらまた休みをもらって、傷病手当金の残り月数をもらえば良いのです。
このように日本には素晴らしい制度がたくさんあります。知識があれば無駄な不安を感じる必要はありませんね。今回紹介した傷病手当金制度の他にも特に大企業に勤めておられる方は、独自の補償制度を持っておられる企業も多くあります。一度ご自身の勤め先の就業規則等をご確認されたらいかがでしょう。
扶養に入る事のデメリット
配偶者の健康保険の扶養に入ってパートやアルバイト勤めをされている方も多いと思います。確かに配偶者の扶養に入ることによって、月々の健康保険料は掛からないので、とてもありがたいことですね。しかし今回ご説明した傷病手当に関しては残念ながら対象外となってしまいます。あえて扶養内で働くという選択肢もありますが、扶養の範囲を超えて働き、健康保険料を自分で支払って、傷病手当のような、いざという時の補償を手に入れるというのは、良い考え方だと思います。間違っても民間の収入補償保険に入る必要はありません。
今回は傷病手当の初歩的なお話をしました。さらに詳しい事については、ご要望があればやっていこうと思います。どんな事でも結構ですのでぜひコメント等を送ってください。